イギリス 独立派が勝利

28 6月

 イギリス経済は今後苦境に立たされることになる。
 イギリスは長い離脱交渉の中で、離脱を撤回する国民投票が実施されて可決されるか、事実上の離脱の撤回をするだろう。
 

 離脱派の勝利によって、ポンドが急落した。
 イングランド銀行のカーニー総裁は、「もし離脱となれば ポンドが急落し、イギリスは破たんの道をたどる。」と言ったように、自国通貨が下落してしまうことは、財政の破綻への第一歩で危機だ。
 (一部の奇特な国では、自国通貨を安くすることは良いことだと勘違いしているが、自国通貨が高くて破綻した国はなく、安くなって破綻する。)
 EUの中で資金を集める金融部門としてしのいできたイギリスだが、EUから離脱してもその地位は当分の間は大丈夫だろう。
 法制度や運用のノウハウが蓄積されていることや、英語のみで通用することから、ロンドンからすぐに資金が移動する事はありえないが、長期的にはどうなるかは全く不透明だ。
 また、移民という安い労働力を得ずして産業が成り立つのか。
 一人当たりGDPではなく、(全体の)GDPを高めようと思うのなら、労働力者数を増やさなければならないし、その点で、安い労働力である移民は双方にとって利益のあることだ。
 ただ、緩やかに人口が縮小させていくための社会インフラを整えていたところに、短期間に移民が急増すれことによって社会インフラが耐え切れず、国民の不満を高める結果となってしまった。
 
 今回のイギリスのEU離脱派の勝利で、EU全体にEUからの離脱が広がるかというと、そうはならないと思う。
 理由は、離脱を表明したイギリスが経済的に大きな打撃を受けるのを見て、EUに様々な不満があろうとも残らざるを得ないと冷静になると思うからだ。
 独立派の主張が受け入れられる下地は、「自国は他国と比較して特別な国であり、EUに加盟している他国はともかく、自国に対しては特別な対応をするはずだ。」というナショナリズムとよぶにはあまりにも稚拙な感情がある。
 しかし現実には、イギリスでは首相が交代してから交渉をして、少しでも良い条件を得たいとしているが、EUは不確実性の長期化による経済の低迷の連鎖を防ぐために、2年間という猶予期間を待たずに決着を図ろうとしており、全く特別な対応をするという姿勢ではない。
 なお、EU離脱派の主張の一つであるEUでは、規制が多く不自由という主張は一面では正しい。
 しかしこうした多くの規制があるのは、一度EU内に入ったモノは、事由に移動させることが出来て制限ができず、安全や安心などを守るためには共通で画一的なルールを設けなければならないからだ。
 不自由な多くの規制は、国境を意識しない貿易を可能とするための代償であるから、イギリスはEUから独立しても、EUと自由な貿易をするにはEUの規制に従わざるをえず、EUがイギリスの主張を聞き入れなければならない理由は、無い。
 経済的にEUから離脱したメリットは何もなく、金融を除く産業が一気に苦境に立たされることになる。
 そうしたイギリスの状況を見ているEUの国は、経済の低迷を招いてまでEUから独立をしようとするだろうか。

 株価や為替は大きく変動したが、月曜日には落ち着きを取り戻した。
 離脱ではなく残留のポジションをとっていた人たちが慌てて動いたことが原因で、ポジションを移せば、通常に戻る。
 レバレッジをかけて運用していたリーマン・ショックと違い、イギリス経済という一国の経済の低迷という話であり、リーマン・ショックとは比較にならないほど、世界経済に与える影響は小さい。
 日本の首相はサミットでリーマンショック前と言っていたが、それがまったくの見当はずれであることに変わりはなく、首相は離脱派が勝利することを予見していたわけでもない。
 問題は、ドルの流動性が確保されるかだが、FRBのイエレン議長は強い声明を出しており、混乱も生じていない。
 日本の政治家とマスコミが騒いでいる理由は、選挙だから危機をあおっているのか、いつものようにマッチポンプなのか、それとも何もわからず騒いでいるだけなのか、よくわからない。

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