AlphaGoがイ・セドル9段に勝ち越す

17 3月

 4勝1敗でAlphaGoが、現代最強の棋士といっても過言ではないイ・セドル9段に勝ち越した。
 優勢を築き勝ち切る力は卓越しているが、粘る力は無い。
 この粘りのなさが、AIを人がしている仕事に導入するうえでの課題になりそうだ。

三村囲碁jp 囲碁棋士九段
○AlphaGO●

○AlphaGO●

 イ・セドル9段に勝つことはないだろうと思っていたが、結果はAlphaGoの4勝1敗。
 特に第3局目は、完全にAlphaGoの掌の上で泳がされていて、圧倒的な力の差を見せつけられた。
 唯一勝った第4局目は、劣勢(敗勢?)をイ・セドル9段が鬼手を放ち勝利をもぎ取ったが、イ・セドル9段でしか打てない手だった。
 (プロの解説者も、当初はこの手は成立しないと解説していたが、後になって成立していると判明した)
 
 コンピュータだから読みとか計算が強いのではなく(むしろ長手数の詰碁は強くないようだ)、大局観とか形成判断といった、人間が得意と思われる感覚的な分野が非常に強い。
 その大局観・形成判断から、一度優位に立つと危険を冒すことなく確実に勝利を手にする。
 (例外は第4局だけだった。)
 
 弱点というか欠点というか、AlphaGoの課題も明らかになった。
 第4局で形勢が不利になると、明らかに誤った手を連発するようになり、あっさりと負けてしまった。
 人間であれば劣勢になっても、惑わす手、逆転を狙う手を打ち、土俵を割らないように粘るが、そうした粘りが全くなかった。

 ルールが明確で情報が完全に開示されている状況ではよいのかもしれないが、人が行う仕事には、(天変地異を含めて)不確定要素が多く、すべての情報が開示されることは少ない。
 仮に医療に応用した場合、容体の急変に対して対応することなく不適切な処置を強行する恐れすらある。
 開示されない情報に備えること、状況の変化に対して粘りを持って対応すること、それがAIを導入する上での課題になるのではと思う。
 その点すら人間を超えてしまえば、人間が行えることはほとんどなくなってしまうだろう。

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