パリ同時テロはISの最後のあがきかも

20 11月

 ISのテロの最大の被害者は、シリアやイラクに住む国民で、当然にイスラム教徒も被害者だ。
 
 パリでEU諸国の国籍を有する者を中心にテロ行為がなされ、100人以上が亡くなった。
 これほどの悲劇の中でも、反イスラム・反アラブ一色になることはなく、難民とテロリストを分けて考えようとすることを放棄しないことは、社会の成熟と勇気の賜物だと思う。

 ISのテロ行為は、長期的にみると経済への影響は軽微で国際貿易等を分断することは出来ない。
 911のテロの時に、観光客やビジネスに短期的には影響はあったが、中長期的には国際貿易に影響を及ぼすことはなかった。
 同じように、フランスでも短期的な影響はあるだろうが、テロによって国際貿易という強固な国家のつながりを分断することは出来ない。
 
 武器をもたない市民を狙ったテロは卑劣でしかないが、より大きな被害を与えようとするならば、目標は市民ではなく国家の重要拠点となる政府系の国家機関や原子力発電所などになるはずである。
 そうした拠点ではなく、もっとも社会の柔らかい部分しか攻撃できないほど、ISは組織として力を持っていない、又は警察等の治安当局の活動が功を奏しているといえる。
 フランスを狙った理由をもっともらしく主張しているが、本来はアメリカを狙いたいはずであるし、国際的な連携によってテロ組織を完全では無いが押さえつけていることには成功している。
 
 シリアでは、ISと、アメリカとEUが押す勢力と、ロシアが押すアサド政権の三勢力が争っているが、ISは、拠点とした地域の住民の弾圧や経済活動の抑圧、原油価格の低下による原油の密売が困難になることによって、戦闘を継続するための資金が枯渇してきている。
 そうした中でも拠点を維持できているのは、アメリカ・EUとロシアが対立していたからであって、今回のパリでのテロによって、アメリカ・EUとロシアとの牽制が取り除かれ反ISで統一されたならば、シリアやイラクにおいてISの拠点が失われる可能性が高い。
 拠点を失い組織の維持ができなくなれば、アルカイダのように、ISは国際的テロブランドとして存続し続けることになる。
 今後もISの名を冠したテロは発生はしても、継続的・大規模なテロは難しく、散発的なものに過ぎない規模になるだろう。
 
 日本でも、ラグビーワールドカップやオリンピックなどのイベントを控え、ISの名を冠するテロが発生をしてもおかしくはない。
 私はその時に、冷静に理性を持って行動できるか分からないけれど、そうありたいと思う。

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