今後のロシア情勢

18 8月

 プーチンは、状況をコントロール出来ておらず、クリミア情勢が落ち着いた後にはロシア国内においても影響力が失墜する。

 通貨安とインフレによって経済は低迷し、旧ソビエト連邦以外への影響力は著しく低下する。

 

 膠着していたウクライナ情勢は、マレーシア旅客機を親ロシア派が撃墜したとみられることからロシアが親ロシア派を軍事面で支援することが控えられ、ウクライナ政府が親ロシアを駆逐する流れになっている。

 問題は、親ロシア派をウクライナ政府が駆逐した後にどうなるかだ。

 

 ウクライナはロシアにとって歴史的に親和性の高い重要な地域であり、西側諸国との緩衝地帯であることから、失うことは許されない国だ。

 そして、極右を政権に組み入れた政府は危険でありロシアに限らず国際社会にとって支持出来ず、EUへの加盟をのらりくらりと引き延ばされたウクライナを救援することは多分に正当性を持つ。

 クリミアの併合後、緩やかに親ロシア派を縮小しウクライナへの影響力を残すべきであったが、武力によって親ロシア派が駆逐された事実と西欧諸国への転向があっては、影響力を維持することは難しくなる。

 西欧諸国からすると、プーチンが主導権をもっているように見えるが、マレーシア旅客機の爆破が示すように、プーチンは事態を掌握していない。

 ロシア政府への支持率に隠されているが、事態に振り回されてて後手後手の対処法に窮している。

 ウクライナ政府が内乱を鎮圧した際には、その事実が露呈するだろう。

 

 西欧諸国は、ロシアへの制裁を課したが、その制裁は効果を上げていない。

 ロシアへの食料品の輸出を制裁とする前に、ロシアが輸入を禁止したことから、ロシアはこの程度の制裁は意に介さず、むしろ西欧諸国を苦しめる事態になっている。

 ドイツや北欧諸国は、ロシアの天然ガスやロシアへの貿易依存度が高いため、経済への影響は直接的かつ深刻だ。

 制裁によるロシア経済やロシア政府への効果は、極めて限定的だといえる。

 しかし、制裁よりも深刻なのは、地政学的リスクが顕在化してロシアへの投資が引き上げられていることだ。

 投資が引き上げられ通貨安による物価高とならないよう、経済成長を犠牲にしてでも利率を引き上げざるを得ない事態となっている。

 ロシア経済は、天然ガスなどのエネルギーの輸出と西欧諸国からの投資によって高い成長を維持したが、輸出先と投資を失えば、高い成長率を維持することは到底できない。

 ハイパーインフレや経済の低迷に耐性のある国民であったとしても、それを起こした政府やリーダーが支持されることは難しい。

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