囲碁電王戦 ZENの戦い

16 2月

 コンピュータのZENと人間との戦いは、プロとトップアマは無敗、アマ高段者は負けるという結果となった。

 当初予想していた通りの結果となったのだが、ZENの開発者と戦った人間のコメントがとても興味深かった。

 

 「勝つ手が1つだけあって他は負け、という局面がPCは苦手」

 コンピュータソフトは、正解を見つけ出して間違えないものだと思っていたのだが、そうではないようだ。

 プロとの対局では、計4試合のうち3試合はプロの完勝で、一つの試合はZENに勝つ手順があったが、その手順をするすると誤り、プロに逆転を許すことになる。

 プロは番狂わせが起きないように入念に読みを入れ、誤りのない勝つ手順を読み切り、確実に勝利をもぎ取った。

 読みと計算を競う9路盤という戦いにおいては、コンピュータが得意とされていたのに、読みも計算もプロが上回った。

 2~3年まえに、9路盤ではプロに追いついたと言われたいたが、プロが本気になれば、まだまだ追いついていないことが証明された。

 開発者や関係者は、「5年以内にプロに9路盤で追いつくのは難しい」「19路盤でプロに勝つには、最低一つはブレイクスルーが必要」とコメントしており、まだまだ先は長い。

 

 トップアマとの戦いは、トップアマの完勝

 プロと遜色の無い力を持つトップアマと13路盤で対決したが、危なげなくトップアマが勝利した。

 9路盤にくらべて局面が広くなると通常の19路盤に近づくせいか、19路盤の感性が活かされているようで、一度もリードを許すことが無かった。

 むしろZENのつたないところばかりが目立ち、順当すぎる期待外れな幕切れだった。

 ただ、戦う側が入念な準備をしてきたからで、トッププロが「普段、我々棋士が小さい碁盤の研究をすることは無い。私の様な経験が無い棋士がいきなり対戦して、弱点を狙ったりせず普通に打てば、負ける可能性が高いのではないか。」と言うほどだから、完勝に見せた人間の側の力量が素晴らしかったと言うことだろう。

 

 アマ高段者に完勝

 19路盤での対局では、ZENがアマ高段者に完勝した。

 プロの解説を聞いているとZENにはいくつもの疑問手があったようだが、それはアマ高段者も同様で、アマ高段者が大悪手を打つまでは、かなり良い戦いだった。

 リードを広げてからのZENの戦いは、無難そのもの。

 最小の勝利を手に入れるようにプログラムをされているようで、無用な戦いを避けて勝利を勝ち取ろうとする。

 今のところは形勢判断に難があるが、嫌な打ち手であることは間違いない。

 

 プロとの力量差がはっきりとあるため、試合自体のおもしろさに欠けるところがあった。

 来年になったとしても、力量差がそれほど縮まるとは思えないが、囲碁の普及のためにも続けて欲しいと思う。

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2 Replies to “囲碁電王戦 ZENの戦い

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    13路も一局目は途中ミスで切迫して危なかったですよ
    プロ級の人なので当然しませんが、もう1ミスしてたら負けてもおかしくありませんでした

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    私程度の棋力では、危なげなく勝っているように見えてしまいました。
    もう1ミスしたら負けててもおかしくなかったかもしれませんが、その1ミスしないことが、プロ級の人たちの強さだと思ってます。
    ZENは、13路盤と19路盤では別人のように見えましたが、あれってなぜなんでしょうね?

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