嘘の代償を支払うアメリカ

24 9月

 内戦状態のシリアで悲劇に見舞われている国民のために、正義であろうがなかろうが、アメリカが軍事活動によって一時停戦をもたらして欲しい。

 

 シリア国内で化学兵器が使われたことに対して、アメリカは一度振り上げた拳を下ろしてしまった。

 この出来事は、イランや他の軍事勢力に対して、アメリカは一線を越えようとも軍事力を行使しないかもしれないという誤ったメッセージを投げかけることになってしまった。

 長期的に見て、アメリカのみならずその他の先進国にとって悪影響を与えることは間違いない。

 政治的、経済的にもどのような形であれ、拳を振り下ろすべきであった。

 

 ではなぜ拳をあげ、下ろせなかったのか。

 アメリカはシリアの内戦にどのような形で関与しても益が無く、どのように損を減らすかという選択肢しかない。

 国民を虐殺するアサド政権を支援することはできないし、反政府軍を支援してしまえば第二のビン・ラディンを誕生させるかテロリストに武器支援をすることになりかねない。

 損を先送りするために消極的・間接的な関与にとどめようとするために、化学兵器などの使用という線を引いていた。

 化学兵器が使用されれば拳をあげて下ろすと警告しているのに使用されたならば、損をしようが行使するしかない。

 そのための政治的な工作をしていたのに、同盟国であるイギリスは議会の賛成を得られず、フランスは実質的な戦力になり得ないので、アメリカ単独での武力行使しかなくなってしまった。

 アメリカ国内では議員の強い反対派少ないにもかかわらず、過去にアメリカが「嘘をついて起こした」戦争にたいする拒絶反応から、国民の支持はなかなか得がたい状況に陥っていた。

 (パウエル元国務長官という誠実であると信じられていた人物であろうとも、国連の場で平気で嘘をつき、また、悲劇の涙を流す当事者ではない女性(駐米クウェート大使の娘)を議会に出すなど、戦争に踏み切るときにはどのような嘘でもつくという前歴がある。)

 

 シリア国内では、毎日何十人もの死者がでている。

 確認されていない者を含めれば何処までふくれあがるのかわからない。

 政府軍と反政府軍が熾烈な権力争いをしていることにより、着地の見えない内戦によってシリア国民が悲劇を被っている。

 それを一時でも押さえることができるのはアメリカしかいない。

 アメリカがその力を行使しないのならば、シリア内戦が何処まで続くのか終わりが全く見えない。

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