藤田伸二「騎手の一分」

28 7月

 上手い騎手が、強い馬に乗り、レースをするからこそ面白い。

 武豊が強い馬に乗るレースを、私は見たい。

 

 藤田騎手の独断と偏見で、今の競馬界、特にJRAへの批判と、有るべき騎手の姿を訴えた書。

 上手い騎手には、騎乗依頼が殺到し、さらに勝利を重ね巨額の賞金を得ることは、競争社会である騎手の世界では当然のことだと思うのだが、今の競馬界ではそうなっていないという。

 

 大手クラブの発言が絶対になり、上手い騎手ではなく大手クラブ・馬主の発言(レース展開を事細かに指示する等)に従う騎手が求められる。

 エージェント制度によって、力のあるエージェントに所属するか否かで、強い馬に乗れるかが決定される。

 

 上手い騎手が強い馬に乗れていないことは、武豊が強い馬に乗れていないことが証明している。

 牧場で働いていたときに、「武豊の騎乗は異常だ(理屈を超えた上手さ)」と、よく聞かされたが、現在でも騎乗技術は衰えていない。

 日本最高の騎手といって差し支えないだろう。

 その武豊が強い馬に乗れないのだ。

 武豊ほどの騎手が強い馬に乗れないという状況が、騎手から上手くなる動機や将来的なやりがいを奪ってしまっている。

 だからこそ、 1982年に252人いた所属ジョッキーが、2012年には約130人へと激減したのだろう。(2012年で20人以上が騎手をやめている。)

 

 馬券を買うと時に、高い頻度で武豊をマークしてしまう(買ってしまう)。

 弱い馬に乗っていても、武豊の騎乗技術ならそれを覆してしまうのでは無いかという畏れがあるからだ。

 上手い騎手が強い馬に乗れない競馬は、魅力を売ることは出来ない。

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