切羽詰った中国外交

14 6月

 面子をつぶされた中国は、今回の訪米で何を得たのだろう?

 中国の習近平国家主席がオバマ米大統領と、カリフォルニアで会談した。

 中国のメディアは「中米首脳会談 国際社会が高く評価」と、今回の訪米が如何に成功し世界が褒め称えたかを喧伝している。

 確かに互いに歩み寄ろうと話し合うこと自体は、非常に益のあることではあったが、話し合うこと自体以外は、散々足るものであったと考えられる。

 

 まず、ミシェル夫人がこの場には来ておらず、緊密でかつ親密な関係であることの演出をアメリカ側が拒否したことがうかがえる。

 また、食事も、会談のための最高のものとはいえないため、特別の扱いを受けたともいえない。

 つまり、中国側としては二大大国としての地位をアメリカに認めさせ、アメリカとの強固なパートナーシップを背景に近隣諸国への圧力を高めることを目論んでいたが、全く達成できなかったといえる。

 

 中国は経済力を背景に領土的拡張をすすめた結果、日本やベトナムやフィリピンなどの警戒感を高め、中国への従属よりもアメリカへの帰属を促してしまった。

 また、頼みの経済力も、賃金の向上や不透明な投資環境、不安定な社会状況によって急激なブレーキがかかっている。

 ハードパワーによって打開することが出来ないことから、アメリカの威信を活用して状況の打開を図る為に今回の訪米になっているのだが、得るべきものを何も得られなかった。

 中国の外交担当者は、どのような勝算があって、今回の会談を設定したのだろうか。

 人権活動家に旅券を発行することという手土産で十分と考えていたのなら、それは浅慮に過ぎる。

 

 中国が、経済・社会・政治システムを、ルールに基づく市場主義で民主的な政治システムに変革していくことが、二大大国のひとつになる条件であるが、その変革が最も難しい。

 外への暴発になるのか、内への騒乱になるのか、うごめきながらも現在の状況を維持するのか。

 果たして中国は、どこに向かうのだろうか。

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