竹島と尖閣諸島

19 8月

 昨今の国際私法の場において、歴史的・法的な正当性よりも実効支配が優先されることから、実力行使による実効支配が何よりも優先される。

 しかし、その結果特をするのは、右翼と権力者であって、国家としては損をする。

 

【竹島】

 韓国の大統領による竹島の訪問だけなら、日韓関係は、大統領の任期満了で精算することができただろう。

 しかし、天皇の謝罪を求める発言をしたことから、次の大統領にこの問題が引き継がれることが決定し、そして、日本政府として引き下がることができなくなった。

 引き下がるというよりも、曖昧にすることができなくなったというべきか。

 韓国の大統領の目的は、ナショナリズムの高揚と日本政府の明確な反応であったのだから、大統領自身の目的は果たされたと言える。

 しかし、それが数年では解消しないほどの大きな溝を生んだのだから、日本・韓国両国にとって、どちらも得をしない損しかない問題だ。

 

 韓国は実効支配を強めているが、日本が本格的に竹島問題を解消しようとすると二つの選択肢がある。

 一つには、サッカー選手のオリンピックでの政治表明や韓国大統領の行動によって注目された領土問題を日本が積極的にひろめていくことだ。

 韓国にとっては実効支配を強め、数十年後に国際私法の場で歴史問題をうやむやにして正当性を主張することが最も得をすることだが、不幸なこと(幸いなこと?)に自らその手段を放棄した。

 普段であればこのような主張は特に注目されなかっただろうが、NewYorkTimesでは、ロンドンオリンピックの韓国サッカー選手の主張をオリンピックを汚した唯一の行為として避難しているのだから、日本にとってはこれ以上の追い風はない。

 NewYorkTimesなどアメリカやヨーロッパの主要メディアに、「韓国は国際私法の場で決着をつけることを拒んでいる。理由は、自らの実効支配に何ら正当性がないからだ!」と掲載し、世界世論を喚起することだ。

 もう一つには、海上自衛隊を竹島に派遣し、実効支配を実力で取り戻すことだ。

 日本と韓国の海上戦力を比較した場合、これは可能だ。

 武力衝突も当然に起こるだろうが、日本は確実に実行しを取り戻すことができる。

 実効支配を失い領土問題として明確になれば、韓国も司法の場での決着を求めざるを得なくなる。

 そうすれば、日本の法的正当性を示し、竹島を名実ともに日本の領土とすることができる。

 海上自衛隊を派遣する代償は、日韓貿易が最悪の状況になる。

 地政学的リスクの増大が引き金になって日本国債の信用が失われ、実質的な財政破綻になる可能性は高い。

 

【尖閣諸島】

 尖閣諸島は、日本と中国と台湾が領有権を主張している。

 中国は、領有権問題で日本のみならず韓国、ベトナム、フィリピンなどともめており、軍事力の強い日本ともめる余裕がない。

 特に尖閣諸島については、アメリカが日本の後ろ盾になることがあきらかになったから、市民活動家を派遣する以外に手立てがない。

 台湾は、中国からの侵略に備えることが最優先の問題であるから、友好国と決定的な決裂をもたらす事態を回避するために冷静な対応をしている。

 

 日本がすべきことは、海上自衛隊を派遣するなどの特別な対応をすることではない。

 国内法に従って、粛々と対応することだ。

 中国の活動家が上陸したのなら、入国管理法に従って対処するべきで、国家が政治的に乗り出して対応してはならない。

 なぜなら領土問題としてナショナリズムを高揚させたとしても得をするのが右翼と政治家のみで、関係悪化によって経済的な損害をうけるのが大多数の国民だからだ。

 尖閣諸島を確保し経済的な損害を被らないためにも、強い態度ではなく、国内法の手続きに従うべきだ。

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