cool japan?

11 6月

 日本の成長戦略の一つに、cool japanとして日本の文化を売り込んでいこうというものがある。

 しかし、この戦略は現在全く行き詰っている。

 正確には、もともと成功する見込みのない戦略の失敗が露見したというべきか。

 

 どのように失敗しているかというと、ただ「飽きられた」ということだ。

 日本でも、世界各国の様々な文化が局所的に流行することがあるが、1年も経つとだれもが飽きて忘れてしまうように。

 飽きられないためには、その魅力を継続的に提供し、愛好家の輪を広げていかなければならない。

 しかし、政治・行政・マスコミの推し進める戦略では、魅力を継続的に提供することは全くできない。

 なぜなら、魅力がなんであるのかを理解せず、「自分の都合に適合するものが魅力あるものだ」という殿様商売しかしていないからだ。

 それが端的に表れているのが、東京都主催の「東京国際アニメフェア」(以下TAF)と、日本の主要な漫画出版社が中心となった「アニメ コンテンツ エキスポ」(以下ACE)である。

(なぜ二つのイベントに分かれているかは、wikipediaで)

 TAFへの来場者は、ACEよりも1万人/日多いことになっているが、TAFは非常に余裕をもってブースをまわることができ、そして親子連れが多い。

 対してACEは、当日券を求めるための長い行列ができ、そしてダフ屋がいた。

 会場内も非常に込み合い、明らかにオタクと思われる集団(私を含む)によって埋め尽くされていた。

 報道機関にとって万人に報道しやすいコンテンツはTAFであるかもしれないが、日本のアニメ・漫画産業を支えている消費者の熱気は、明らかにACEが上だ。

 日本の漫画・アニメは、国家機関が育成したものではなく、むしろ害悪として阻害してきたものだ。

 最近になってそれを押し出そうとしているのだが、国家機関が推奨する作品群・企業は、権力者の思惑が多分に入り、消費者が面白いと思うものとは異なる。

 (TAF出店の作品でも当然に面白いものはあります。)

 国家が推す作品は良くも悪くもお行儀の良い作品で、多様性が無い。

 漫画・アニメの最大の魅力は、多様性に基づく選択肢が消費者に与えられていることだ。

 その最大の魅力を否定して、どうやって世界市場に売り込もうというのか。

 ハリウッド映画はすさまじい資金を投じて他国の映画の追随を許さないが、その内容は、「教育的」に限定されたものではない。

 親子で見るには微妙なものもあるし過激なものも多いが、メッセージ性の強い作品も同じように作成されている。

 どのような作品を見るかは消費者にゆだねられており、その選択という行為を含めて消費者は楽しんでいる。

 仮に、親子で安心して見られる「教育的」な映画だけをアメリカが各国に売り込んだとしたら、果たしてこれだけ世界市場に浸透することができただろうか。

 どれだけ資金を投じたとしても、多様性を認めない選択肢の無い映画だけであったならば、魅力を感じただろうか。

 漫画・アニメの表現の規制を推進する権力者や道徳心があると自認する人たちが、漫画・アニメを世界に広めることなんてできない。

 漫画・アニメを放っておくことが、cool japanを世界に広めるもっとも有効で、かつ安上がりな方法だ。

 少なくとも、誰も読まないパンフレットや、出版社のための公共は効果が無い。

 本当に産業の育成を図るのならば、漫画家のアシスタント雇用に対する補助金の支給や税控除、出版社ではなく漫画家への法律・海外発信の補助だ。

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One Reply to “cool japan?”

  1. まとめtyaiました【cool japan?】

     日本の成長戦略の一つに、cool japanとして日本の文化を売り込んでいこうというものがある。 しかし、この戦略は現在全く行き詰っている。 正確には、もともと成功する見込みのない戦略の失敗が露見したというべきか。  どのように失敗しているかというと、ただ「飽…

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