家電メーカーは、「メッセージ」の選択と集中をしなければならない。

31 5月

 家電芸人と家電メーカーは反比例の関係にある。

 テレビで、(日本の)家電製品が好きで家電製品の機能や利用方法を解説する芸能人を家電芸人と呼んでいる。

 この家電芸人という呼び方ができることが、日本の家電メーカーが世界で勝てないことを表している。

 

 2012年3月度の最終利益、Sonyは▲4500億円、パナソニック(松下)は▲7700億円の大赤字で、その原因が家電の不振だ。

 対照的に競争力の無い家電事業を切り離している日立は、二期連続黒字で今期3500億円だ。

 Sonyとパナソニックは「事業」の選択と集中に失敗し、日立は「事業」の選択と集中に成功したと考えられているが、果たしてそうであろうか。

 私は、製品のメッセージの選択と集中ができていないからだと考える。

 日本の家電メーカーの製品は、今までの商品【+α】をして、製品の差別化を図り、それが付加価値であるという戦略をとっている。

 しかし、この【+α】は市場ではなく自社の技術を基準にしている。

 そのため、どれだけ【+α】を繰り返して製品を製造しても、消費者からすれば違いがわからず、全く他の製品・企業と差別化ができていないという状況になっている。

 差別化ができていないことから、消費者は新興国の安い商品を選択することは当然の結果だ。

 

 任天堂のwiiやappleのiphoneは、この【+α】を選択していない製品だからこそ、世界市場で圧倒的な販売を可能とした。

 製品としての明確なメッセージは、操作性だ。

 日本の家電メーカーは、【+α】による多機能というメッセージを追求していったが、操作性というメッセージを発することがなかった。

 操作性というメッセージを入れようとしたのかもしれないが、【+α】の多機能というメッセージのなかに埋もれ、結局はすべての機能が相殺してしまい、説明を受けなければ機能を理解できないというジレンマに陥ってしまった。

 その最たる例がテレビのリモコンだ。

 様々な機能や便利にしようとした結果、だれも操作できない不思議で高機能なリモコンが出来上がり、それが改善されることがなかった。

 むしろ中国などがスマートTVを日本のメーカーよりも先駆けて開発し、販売する。

 その一番の売りはリモコンの改善で、日本は中国メーカーの真似をすることになり、中国メーカーを製品力の面からも遅れることになるだろう。

 

 日本の家電メーカーはこの【+α】を止めることが何よりも重要だ。

 言い換えれば、【+α】をやめることができない製品はリストラクチャリングの対象にするべきだ。

 「この商品は説明の必要がないよね。」と言われる製品を作ることが求められているし、そうなって初めて差別化ができているといえる。

 家電芸人が説明しないとわからない機能なんてのには価値がない。

 日本の家電メーカーに必要なのは、選択と集中ではなく、ひとつのメッセージを選択することだ。

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One Reply to “家電メーカーは、「メッセージ」の選択と集中をしなければならない。”

  1. まとめtyaiました【家電メーカーは、「メッセージ」の選択と集中をしなければならない。】

     家電芸人と家電メーカーは反比例の関係にある。  テレビで、(日本の)家電製品が好きで家電製品の機能や利用方法を解説する芸能人を家電芸人と呼んでいる。 この家電芸人という呼び方ができることが、日本の家電メーカーが世界で勝てないことを表している。  2012?…

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