佐藤秀峰「漫画貧乏」

14 5月

漫画 On Web

http://mangaonweb.com/welcome.do

 

 10年後も、漫画が残っているといいな。

 

 出版不況の中で爆発的な出版数を誇るワンピース。

 日本企業の競争力の低下とは無関係に、世界に輸出できる文化として注目を集める漫画。

 華々しい業界のように思われているが、漫画界を支えている地盤は急速に沈下している。

 

 佐藤秀峰は、「海猿」や「ブラックジャックによろしく」の作者だ。

 本書では、漫画家が置かれている現状を、自らの体験と所得を赤裸々に述べている。

 大手漫画雑誌に連載していても生活費すら稼げない現実。

 漫画家の努力の産物である漫画を、漫画家に意向を伺うことなく改変し、利用する編集者。

 出版不況の中で自らの所得の維持と変革をしないツケを、すべて漫画家に押し付ける出版社。

 

 漫画界も日本のほかの産業と同じく、既得権益を守るためにその土台を犠牲にし将来の財産を食いつぶしている。

 漫画がなければ漫画雑誌は作れないし、漫画業界も成り立たない。

 その漫画を創りだす漫画家が、管理部門である編集者と出版社の下請けとして疲弊している。

 何より深刻であることは、漫画が、著作権者である漫画家ではなく、編集者と出版社の私有財産のように取り扱われていることだ。

 漫画家を志す多くの挑戦者の犠牲の上に、ひとつのヒット作品が生まれる。

 編集者と出版社の漫画家と漫画に対する横暴な姿勢は、漫画愛好家をも馬鹿にしている。

 

 今のままでは、日本から急速に漫画を産み出す力が失われ、10年後には漫画が残っているのか本当に心配になる。

 コンビニから漫画雑誌が消えていたとしても不思議ではない。

 

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One Reply to “佐藤秀峰「漫画貧乏」”

  1. まとめtyaiました【佐藤秀峰「漫画貧乏」】

    漫画 On Webhttp://mangaonweb.com/welcome.do  10年後も、漫画が残っているといいな。  出版不況の中で爆発的な出版数を誇るワンピース。 日本企業の競争力の低下とは無関係に、世界に輸出できる文化として注目を集める漫画。 華々しい業界のように思われているが?…

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