公認会計士試験受験者の大幅減

10 5月

 誰が悪いわけではない。

 誰であろうとそれさえ持っていれば一生食っていけるという不健全な状態が解消されただけだ。

 

 公認会計士試験の受験者数が、この2年ですごい勢いで減っている。

 私が合格した平成22年(2010年度)は2万人だったものが、平成24年(2012年度)では1万3000人と、4割近く受験者数が減少しているのだ。

 もともと公認会計士は、「社会的地位が高くて安定していて給料も高い」という動機で目指したという人が多く、野心ある人が目指す試験ではなかった。

 合格者の就職難、監査法人のリストラと転職が難しいという現在の状況では、受験者にとって資格の魅力は全く失われてしまったといってよいだろう。

 受験者からしてみれば、2010年度合格者からの就職難を考えれば魅力ある資格とは映らないだろう。

 私自身、「合格すればどうにかなる(はずだ)。」と判断して、リスクをとって、資格取得の道を選んだ。

 合格してもどうにかなるかわからない現在のような状況だったのなら、資格取得の道を選んだのかわからない。

 

 公認会計士試験の合格者数を急激に減らしているが、結局これは「社会的地位が高くて安定していて給料も高い」資格にすることが目的だろうが、合格者数を減らすことで達成できるのだろうか。

 合格者の就職・監査法人出身者の転職難という形で、公認会計士の社会的評価の低さが白日の下に晒された。

 公認会計士試験の合格者を減らし、競争の無い安定した資格・仕事にすることはある程度可能であろうが、社会的評価の低さは合格者数の増減によって高めることはできない。

 官僚などの公務員がその仕事内容にかかわらず評価が低いのは、競争が無く高給を得ているとみなされているからだ。

 競争無く法律で強制された仕事を請け負うだけの集団は、公務員と同じとみなされ、社会的評価が高まることは無い。

 

 公認会計士試験と司法試験のここ数年の混乱は、行政機関や関係団体の不作為として認識されているが、はたしてそうであろうか。

 試験で一定上の点数を得れば労働市場を超越した存在になれるという状況は、不健全だ。

 その不健全な状況を野放しにしてきたことが問題だったと考える。

 資格取得者にとって健全で社会にとって不健全な状況から、資格取得者を競争の労働市場の枠内にすることは、その資格を社会にとって健全な存在にすることだ。

 試験制度の混乱というよりも、競争をしてこなかった、競争のできない特殊な集団が、競争社会という当たり前に遭遇して空回りしていただけなのではないだろうか。

 健全な状態にするためにも、目先の就職率のために合格者数を減らすのではなく、多様の人材を輩出し競争をもたらすためのも合格者数を増やすべきだ。

 

【受験者数】

平成24年試験

 Ⅰ回短答式試験13,573人

 Ⅱ回短答式試験12,991人

平成23年試験

 Ⅰ回短答式試験17,244人

 Ⅱ回短答式試験17,374人

平成22年試験

 Ⅰ回短答式試験17,583人

 Ⅱ回短答式試験20,777人

平成21年試験

 短答式試験21,255人

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3 Replies to “公認会計士試験受験者の大幅減

  1. まとめtyaiました【公認会計士試験受験者の大幅減】

     誰が悪いわけではない。 誰であろうとそれさえ持っていれば一生食っていけるという不健全な状態が解消されただけだ。  公認会計士試験の受験者数が、この2年ですごい勢いで減っている。 私が合格した平成22年(2010年度)は2万人だったものが、平成24年(2012年度)…

  2. SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    官僚が設計して官僚が施行している官僚が合格者数を決めている異常な日本の試験制度に原因があるのは明らか。社会のニーズに沿っていない制度疲労。

  3. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    AY様
    公認会計士に限らず、あらゆる資格が制度疲労をしていると思います。
    制度疲労の原因を挙げればきりがないのかもしれませんが、その制度の当事者の一人としては、身内ではなく社会に対して誠実に価値を積み上げていくしか無いと考えております。
    私が価値を積み上げることができているのかは不明ですが、そう努力する以外無いです。

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