「ばらまき」の定義

27 8月

 子ども手当や高校無償化など、民主党政権のマニュフェストは「ばらまき」だとして批判を浴び、撤回に負いこまれている。

 批判の理由は、

1:高額所得者も対象になるのは不公平だ。

2:手当を親に渡してもパチンコなどに消えてしまい無駄だ。

 といったものだ。

 納得できる理由のようだが、全く合理的な理由ではない。

 こうした批判の裏には、現役世代をないがしろにし、年金受給者に「ばらまき」をすべきという政治家とマスコミの都合がある。

 選挙に行き投票するのは年金受給者で、マスコミの熱心な愛好者も年金受給者であるから、選挙に行かずマスコミを利用しない現役世代に負担を押し付けようとするのは、政治家とマスコミにとって当然の行動だ。

 

1:高額所得者も対象になるのは不公平だ。

・事務負担費用を含めて制度は考える必要がある。

 所得税の問題として、「捕捉率」があげられる。

 「捕捉率」とは、実際の所得を、課税当局がどれだけ補足し課税できるかというものだ。

 サラリーマンの場合には、給与所得はほぼ100%捕捉され、そのほかの所得に対してはあいまいになったとしても、90%以上の捕捉率といわれている。

 対して、事業者や農家などの捕捉率は50%を切ることから、その補てんのために給与所得控除が認められているという面がある。

 高額所得者のラインを決め選別するという作業は、既存の課税当局でさえ苦労し、費用対効果から放棄しているという側面がある。

 高額所得者は支給対象から外すことを地方自治体に丸投げした場合、膨大な事務費用が発生することは想像するに難くなく、事務費用が支給しないことによって得られる収益を超える恐れがある。

 支給を抑える代償として支出が増加することを考慮しなければならない。

 

・高額年金受給者に対しては、だれも触れない。

 年金には、国民年金、共済年金、厚生年金などの公の年金があり、その他に企業年金という私の年金がある。

 年金の受給額が少なく生活に苦労されている方も多いが、現役時に高額所得によって資産を蓄えていた人たちに対して、国庫負担を一律に5割負担する必要はあるだろうか。

 現役世代に対する支給には所得制限を盛んに叫ぶのに、高額貯蓄者、企業年金を含めた高額年金受給者に対しては触れようとしない。

 現役世代に対する支給は所得制限を設けて支出を減らそうと努力しても、年金受給世代に対しては所得制限を設ける気配は、無い。

 

2:手当を親に渡してもパチンコなどに消えてしまい無駄だ。

 年金受給者の世代は、年功序列に基づいて所得が増加することが当然のように考え、退職後は年金と退職金で生活できた。

 年金受給者が現役世代には消費を謳歌し、年金受給者になってからは税金によって生活が保障されている。

 対して現代の現役世代は、所得の減少におびえ、退職後は年金と退職金は無いと仮定しなければならない。

 無駄遣いを繰り返してきた年金受給者の世代に対して税金を投入することが福祉であるのに、なぜ、現役世代の子育てに税金を投入することが「ばらまき」であるのか。

 パチンコ屋は年金受給者であふれているが、年金をパチンコに使うことは問題では無いのに、自らの所得と手当を工面してパチンコに使うことは問題なのか。

 

 「最近の若者は元気がない。物を買わなくなった。」という意見は多いが、そんなのは当然のことだ。

 所得をすべて消費に回しても老後税金によって生活できる年金受給者と、所得を貯蓄に回さなければ老後に確実に生きていけない現役世代を比較すること事態、大きな誤りだ。

 パチンコにいくことすら批判されるのだから、現役世代が車を買うなど元気に消費をするようになったら、手当を支給すべきという議論すらなくなるのではないだろうか。

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