ミーガン法の導入に反対

12 2月

 「道具を買い揃えることが目的になり、道具をそろえた目的を果たさない」ではすまされない。

 

 性犯罪者の情報を住民に公開するミーガン法は、性犯罪を防止し、地域住民の安心感を増すものであると多くの人は思うだろう。

 しかし、ミーガン法による性犯罪の防止の効果は確認されておらず、むしろ犯罪者の社会復帰を妨げ犯罪を増加させる恐れがある。

 

 ワシントン州エヴァーグリーン州立大学が作成した報告書(Schram and Milloy, 1995; Matson and Lieb, 1997)では、出所後54ヶ月のうちに再犯する確率は統計上有意な結果が得られないとしており、ミーガン法の犯罪防止効果は無いことが証明されている。

 唯一ミーガン法導入前後で異なるものは、潜伏期間が短くなっているということだ(再犯率は同じである)。

 

 (犯罪を防止するという点で)深刻な問題は、前科者の社会復帰を困難にし、社会から孤立させ、むしろ犯罪に向かわせる、犯罪に促がすおそれがあることだ。

 住む家が無く、脅迫され、自らの周りも被害を受け、社会から仲間はずれにされ、仕事を失った(資料1)人を生み出す社会が安全であるはずがない。

 犯罪の防止に効果がないのみならず、そのほかにも様々な弊害を生じさせる(資料2)。

 

 ミーガン法という厳しい法律を作ることによって、私は社会のためによくやったという自己満足は高められるが、犯罪の防止という本来を目的が果たされない。

 性犯罪を防止するという法を作る目的に反対に、より危険な社会にする可能性があることから、私は反対である。

 

 性犯罪のほとんどは、「どこかに潜んでいる変質者」ではなく、「家族や教師などの身近な存在」によって起こされている。

 ミーガン法は、性犯罪者のほとんどの「身近な存在」に対しては無力である。

 この事実から目を背けずに、法は作られなければならない。


資料1 ミーガン法により前科者の社会復帰を妨げた具体的な項目

National Institute of Justice (2000年12月)

  83% 住居から追い出されたり、入居を拒否されたりした

  77% 脅迫や嫌がらせを受けた

  67% 家族が心理的に傷つけられた

  67% コミュニティや知人から仲間はずれにされた

  57% 職を失った

  50% 保護観察員からの圧迫が強まった

   3% 暴行を受けた

 

資料2 ミーガン法が起こす弊害

(Freeman-Longo, 1996; Freeman-Longo, 2000)

・有効性が証明されていない

・被害者が通報しなくなる

 (性犯罪はほとんど家庭内で起こっているため)、レイプ被害を届け出れば家族・親族の犯罪を社会に告知することになり、通報するなという家族・親族内のプレッシャーにより通報しづらくなる。

・経済的格差によるしわ寄せ

 比較的裕福なコミュニティだけ安全になるが、結果的に貧しいコミュニティに多数の元受刑者を集中して住ませることになる。

・情報が不正確

・付近住民による暴力

・被害者についての情報が流れる

・住居や職を奪われる

・学校における告知の問題

 前科者の家族(子どもなど)が、地域・学校から迫害される。

・コスト分配が非効率的

 性犯罪を予防することに資金を分配したほうが、犯罪発生後の処罰・監視よりもずっと安上がりですむ。

・誰が危険度を判断するのか?

 前科者ののランク付け医学的な根拠を求めることができない。

・実際の危険度を過大評価

・偽の安全

 偽の住所を登録される可能性がある。また、家族や教師など身近な人が一番加害者になる可能性が高いという事実を見過ごされてしまう。

・容疑者による否認が増える

・本来の意図とは違った方向に運用されている

このエントリーを Google ブックマーク に追加
LinkedIn にシェア
Pocket