菅首相の「疎い」発言、実は適切な発言かも

28 1月

 2011年1月27日、菅首相は、格付け会社のS&Pが日本の長期国債の格付けを「AA」から「AA-」に格下げしたことに対して、「そういうことに疎いので」と発言したために批判されている。

 しかしこの「疎い」発言は、意外に適切な発言かもしれない。

 

 ・格付け会社のことは実はほとんどの人は知らないし、私もよく知らない。

 ・大げさな対応をすることは適切でなく、流すぐらいの対応が必要なため。

 ・野党の攻撃材料になっても、野党の支持に結びつくものではない。

 

 ・格付け会社のことは実はほとんどの人は知らないし、私もよく知らない。

 そもそも各付け会社はどんな基準・体制で評価し、評価はどんな意味があり、どんな影響があるのだろう。

 破綻したエンロンを4日前まで投資適格としていたり、評価対象から報酬を受け取って評価をしていたり、サブプライムの評価がまったく適当であったりするため、私は正直、格付け会社の格付けにどんな意味があるのか理解できない。

 まぁ、参考程度にはなるかもしれないが。

 日本にとってもっとも深刻な問題は国債であり、その国債の評価が格下げされたのだから何か深刻な問題であるような印象を持つかもしれなが、私が菅首相と同じような質問をされても「疎いからわからない」以上の回答はできない。

 深刻な印象とは裏腹に、深刻な理由を説明できる人はいるのだろうか?

 

 ・大げさな対応をすることは適切でなく、流すぐらいの対応が必要なため。

 深刻な問題だと仮定した場合、首相はどんな対応をすべきであったのだろうか。

 日銀総裁や財務大臣などを両脇に立たせて、格付け会社を非難し日本の国際の信頼性を主張すべきなのだろうか。

 そんなことをすれば、市場に「日本の国際は本当はもっと深刻な問題だ」というシグナルを送ることになり、危険な状況を作り出してしまうかもしれない。

 首相が真剣に対応すればするほど市場に誤ったシグナルを送ることになってしまうのだから、「疎い」と言ってしまうことが一番正しいシグナルを送ることになるのではないだろうか?

 事実、市場は格下げは織り込み済みであるし、格下げ後、株価と円が少し下がっただけである。

 

 ・野党の攻撃材料になっても、野党の支持に結びつくものではない。

 現在の日本の巨額の国債は、その殆どが自民党が政権与党であったときに積みあがられていったものである。

 巨額の国債を発生させた自民党に対して不満と不信が募ったから、民主党が選挙で勝ち、自民党が野党となったのだ。

 その自民党が、国債への対処法、政策を示さずに首相の「疎い」発言を追及しようとも、説得力も無く、支持も得られない。

 

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