低生産国、日本

23 12月

 公益財団法人・日本生産性本部の「労働生産性の国際比較2010年版 (生産性研究レポートNO.023)」で、、「2009年の日本の労働生産性(就業者1人当たり名目付加価値)は、65,896ドル(755万円/購買力平価換算)でOECD加盟33カ国中第22位主要先進7カ国では最下位。」と述べられている。

 

 製造業は全体の6位と、高い生産性を持ち、日本の製造業の優秀さを改めて示している。

 しかし、卸小売(17位)と飲食宿泊(15位)は共に非常に低く、イタリアの下である。

 第2次産業では日本の勤勉さが良いほうに向かっているが、サービス業に関しては神経質になりすぎ生産性を高められていないといえる。

 つまりサービス業は日本にとって弱点であるともいえるし、これから大きな改善が望める成長産業になり得る可能性を有しているともいえる(前向きによく言えばだが)。

 

 これらのことは以前から言われていたことであり、多くの人が見聞きしていることだろう。

 私が問題と考えていることは、金融危機発生時期(2007年)を境とした労働生産性上昇率の低下が、日本(-4.01ポイント)が主要先進7カ国で最も大きくなっていることである。

 為替、海外への工場の移転、科学技術投資の減退など、日本は多くの経済的問題を抱えている。

 こうした問題に一度に解決する処方箋は無いし、すぐに解決する問題は一つもないが、対処するための唯一の方法は、生産性を挙げることである。

 生産性を挙げること、挙げ続けることができれば、諸外国と競争できるし、また日本の経済的地位の沈下を食い止めることができる。

 それなのに生産性がもっとも下落している国であることが今回明らかにされた。

 ここから示される日本の(近い)将来は、緩やかに沈下していることである。

 

 生産性の上昇率は、役人が如何こう出来る問題ではなく(多少の影響は与えるが)、労働者個々人の努力の積み重ねが結果としてでる。

 日本人は勤勉であるという定説は今、覆されようとしているのかもしれない。


資料1 : 主要産業の生産性対米国水準比

製造業  73.9%(6位)

電気ガス 55.0%

卸小売  44.1%(17位)

飲食宿泊 37.4%(15位)

運輸   52.3%

郵便通信 94.5%

金融仲介 91.8%

ビジネスサービス  50.0%

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