自民党の「青少年健全育成基本法」に反対

26 6月

 自民党の参議院選挙のマニフェスト、156:青少年健全育成の推進の「青少年健全育成基本法」に反対する。

 この法案は、漫画・アニメ・ゲームなどの各メディア業界に「青少年有害社会環境対策センター」という天下り機関を設置し、「青少年に有害と思われる作品」を監視・規制していくというもので、これは東京都の非実在少年規制条例を上回る内容だ。

 

 自民党は、「じゃぱん・えきすぽin自民党」(自民党の本部でコスプレイベント)をするなどしてメディア業界、オタクへのアピールをしているが、実体はメディア支配・規制を推進している。


社団法人日本書籍出版協会

青少年社会環境対策基本法案に対する見解

今回の法案は、「青少年有害環境」を「青少年の性若しくは暴力に関する価値観の形

成に悪影響を及ぼし、……青少年の健全な育成を阻害するおそれのある社会環境」とする抽象的・一面的なものとなっている。このほか法案では、事業者及び事業者団体に遵守すべき規準の協定又は規約の締結・設定、総務庁長官等による指導・助言及び勧告・公表などを定めることとしている。このような、事業者等への法律による義務付けは、言論・出版の自由への介入であり憲法で禁止されている「検閲」のおそれすらある。また、総務庁長官等の指導・助言等は一種の行政処分であり、法案全体にわたり、法的な適正手続きの保障もなく、行政の恣意的運用に委ねられている。 当協会は、このように言論・出版の自由を規制する本法案に反対し、速やかな撤回を求めるものである。


社団法人 日本図書館協会

青少年社会環境対策基本法案についての見解

 日本図書館協会は、戦前に公立図書館が国家意志を担って「思想善導」と検閲のための機関となった歴史を反省し、戦後、「図書館の自由に関する宣言」(1954年総会決定。1979年改訂)を図書館界の総意として確認し、国民の知る自由・学習する権利を保障することが公立図書館の基本的任務であることを表明しました。少数意見、あるいは不快、危険と批判を受ける表現をも含め、言論・思想が自由に表出され自由にアクセスできることが必要です。それが日本国憲法の原理の求めるところであり、図書館はその実現維持のために不断に努力することを使命とします。 

 本法案は、政府と地方公共団体に対し、子ども達の発達に悪影響を与えると考えられる商品や情報を幅広く規制する権限を与えるものです。子ども達が幸せに成長することは社会の願いです。しかしながら、法案はそれに応えるものではなく、次のような重大な問題点をもっています。 

 第1に、規制の対象とする表現等の内容の定義が不明確で、恣意的な拡大解釈を許すことです。

 第2に、政府は1977年度以来、再三「有害」図書類と青少年の「逸脱行動」とを関係づけるべく調査を重ねていますが、「有害」図書類に接することが逸脱行動の原因であるという結果は得られていません。表現と行動の因果関係が科学的に証明できないのですから、どのような表現が逸脱行動の原因であるかを科学的に定義することは不可能で、このことも規制する表現対象の恣意的拡大を可能にします。 

 第3に、現在46都道府県で施行されている青少年条例の有害図書類の規制に比べて、規制のレベルが高いことです。 

 第4に、政府や地方公共団体などの行政機関に、人の価値観やモラルなど内心の領域への侵入を許すことです。 

 以上の理由により、当日本図書館協会は、本法案が今国会に提出されることに反対を表明します。


自民党2010年 参議院マニフェスト

156 青少年健全育成の推進

 近年の青少年の非行や犯罪被害等の深刻な状況に対し、青少年を健全に育むことができるよう、「青少年健全育成基本法」の制定をはじめ有効な法整備を図るとともに、青少年を取り巻く有害社会環境の適正化のための事業者等による自主規制のあり方など総合的な施策を推進します。また、インターネット上の有害情報による犯罪被害を防止し、青少年の安全・安心なインターネット利用に向けた施策を推進します。


青少年健全育成の推進の概要

 第14条から19条では主務大臣(2000年案では総務庁長官)または都道府県知事が必要と認めた場合はセンターを通じて事業者の商品・役務の供給に対して監督・指導を行うことができ、従わない場合は改善勧告を行い事業者名を公表することができると定められている。なお、事業者の反論権は(「指導・勧告は刑事罰や行政上の制裁行為には当たらない」との理由で)認められていない。

 第21条では、事業者・事業者団体に対し業界ごとに「青少年有害社会環境対策センター」設置を義務付け、事業者に対してセンターへの加入を奨励することが定められている。なお、センターの活動に冠する詳細は内閣府令(青少年有害社会環境対策基本法施行令)で定められることになっている。

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