管理会計のポイント 予算とバランスト・スコア・カード - 1

6 2月

予算とバランスト・スコア・カード(BSC)

1 予算の意義

・目的 :総合的(全社的)利益管理

・可視化 :利益計画と管理者の関係性

・費用対効果 :利点も多いが、莫大なコストがかかる

 

 利益計画とは、将来の一定期間について企業の利益目標を達成するための経営活動の計画をいう。企業予算とは、予算期間における企業の各企業分野の具体的な計画を貨幣的に表示し、これを総合編成したものをいい、予算期間における企業の利益目標を指示し、各業務分野の諸活動を調整し、企業全般にわたる総合的管理の要具となるものである(原価計算基準一(4))。利益計画を、責任会計(注4)にあてはめ、実行可能にしたものといえる。

 予算管理の機能は、計画機能と統制機能と調整機能の3つがある。計画機能とは、企業の利益目標を達成するための利益計画である予算を編成することにより遂行される機能をいう。統制機能とは、設定された利益目標を達成するのに確実にすることによって遂行される機能をいう。調整機能とは、主として各執行部門の部門予算を全社的な立場から調整して総合予算を編成する過程で発揮される機能をいう。

 現代においてもっとも重要な機能は調整機能である。各部門や各階層がそれぞれに利害を主張することによる部分最適化を回避するために、利害を調整し、予算の達成が利益計画の達成となるように全体最適化を目指す機能だからである。

 

 予算管理の利点

 1、予算管理は、計画設定に対する管理者の責任を公式化することにより、彼らが将来について考えなければならないようにする(計画機能)。

 2、予算管理は将来の業績を判断するための裁量のフレームワークである明確な予測を提供する(統制機能)。

 3、予算管理は管理者の努力を調整する際の助けとなり、したがって組織全体としての目標をその構成部分の目標と調和させる。

 

 予算管理の限界

 1、予算は、弾力性に欠けること。

 2、予算編成とコントロールには時間がかかること。

 3、経営のスピードが求められる経営環境のなかで、経営の速度についていけないこと。

 

 日本において予算制度の限界が問題視される中でも、日本の企業の98%は予算制度を利用している(2005年調査)。予算管理の利点を保持し、限界を克服すべく、ローリング予算や複数予算など様々な工夫がなされている。

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