子ども手当に所得制限を設けるべきではない

28 11月

 民主党政権の公約の一つに「子ども手当」てがある。

 この「子ども手当」は、中学卒業まで1人月2万6000円(来年度は月1万3000円)を支給するというものだ。

 現行の児童手当は、3歳未満は月1万円、3歳児以上小学生までは1子、2子は月5000円、3子以降月1万円を支給しており、子どもの数などに応じて課税所得額による所得制限を設けている。

 

 所得制限を設けるという主張は、所得再分配に反するという点から支持されれている。しかし、所得制限を設けることは、2つの重要な問題点がある。

 一つ目は、「社会全体で子ども教育を支援する」という理念に反する点だ。

 所得制限を設けるということは、一定以上の子どもに対して支援をしないことを意味し、その(所得)の線引きは政治的な配慮によるとしても、現行の児童手当を何ら変らないものとなる。

 二つ目は、「課税所得の捕捉率」(クロヨン)の問題である。

 サラリーマンの所得は9割以上が捕捉されているのに対し、自営業などは6割、農林水産業では4割程度しか課税所得が税務署によって捕捉されていないクロヨンという問題がある。

 仮に1000万円の所得制限を設けたとする。1000万円の課税所得をもつサラリーマンの家庭は子ども手当てを受けられなくなり、対して、実質1000万円、捕捉された課税所得400万円の農林水産業者の家庭には手当てが受けられるという課税技術上の問題が生じる。

 所得制限を完全に履行しようとすれば、事務負担費が膨大になることは間違いなく、所得制限を設けないよりも大きな財政支出となる可能性が高い。

 

 以上のように、「社会全体でこども教育を支援する」理念と「課税所得の捕捉率」の問題があり、子ども手当てに課税所得を設けることに反対である。

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