株主平等原則と株主優待制度

11 1月

問題

株主優待制度は株主平等原則に反しないの(違法ではないのか?

 

・多数説:合法

・私見 :違法

 

 金銭給付・現物配当には厳格に株主平等原則が適用される。しかし、株主優待制度では、この原則によらず優待物が交付されているのが実情である。

  

 多数説は、配当決議機関で、持株数に比例しない配当を優待券を交付することを決議したとみなし、株主平等原則を一応満たしているから合法としている。

  私見では、株主優待制度は擬似配当にあたり、持株平等原則に厳格に従ってすべての株主に平等に優待物を給付する必要があると考える。

  

 配当は出資者たる株主にとって重要事項である。実際に経済利益を株主は得る(又は得る機会を失う)のだから、厳格な手続きと平等原則に従うべきである。また債権者保護の観点からも、配当規制に従う必要がある。よって株主や債権者保護の観点から、優待制度は配当として、会社法で定められた手続きに従い、配当決議機関の承認と配当制限の規制を受けるべきである。多数説では、手続き面で会社法上の根拠があいまいである(旧商法下においてはどうにかごまかす余地があったが)。

 株式の保有期間などによる株主の区別は、株主平等原則に反する利益配当を可能にする(会社創業時から株式を保有している株主に限定するなど)。また、一定の株式数以上の保有により株主の区別することは、実質的に単元株式を取締役(会)が任意に設定することと同じである。これらの点から、保有期間・保有株式数による優待物に差異を設けることは問題がある。


・株主平等原則とは?

 株主平等原則とは、会社法では「株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。(会社法109条1項)」とある。(例外有り:会社法109条2項以下)

 株主の性格・性質ではなく、株式(数・内容)による画一的な取り扱いをすることにより成り立っている株式会社制度において、この原則は重要な地位を占める。

 会社法の条文では、剰余金の配当(454条)、議決権の数(308条1項)、残余財産の分配(504条3項)に関して同原則を表明している。


・株主優待制度とは?

 株主優待制度とは、一定の要件を満たす株主に対して優待物を給付する制度をいう。


・配当決議機関

 原則:株主総会

 例外:会計監査人設置会社で定款に定めれば、取締役会で決議できる(会社法459条1項4号、454条4項)

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